2024年を振り返る

 

能登半島地震

 発生から丸一年が経とうとしている。そこに復興への望みを押し流すかのような豪雨災害。

政府や自治体の対応は決して被災者の思いに沿うものではなく、一年を経てもまだ復興への足がかりもつかめない人が少なくないと聞いている。

能登の人たちの思いを想像する。

来年の1月17日は阪神淡路大震災から30年となる。1995年以降も日本では数々の自然災害が発生した。

私たちは外国の脅威よりも、内なる自然災害の脅威に晒されている。

にもかかわらず、自公政権は中国やDPRKの脅威を煽り、軍備拡大に私たちの税金を使い続けている。

それでいいはずはない。

政治の転換を図る必要がある。

 

兵庫県の斎藤県政

 元県民局長の告発文書をめぐる県政の混乱は10ヶ月を超えようとしている。

出直し選で「圧勝」した斎藤元彦は、相変わらず問題の核心には触れようとせず、論点すり替えと壊れたカセットテープレコーダーのような回答を繰り返す。

片山元副知事は、斎藤元彦再選で息を吹き返したかのように、百条委員会で強気の発言を繰り返す。

 

混乱はますます深まり、県民の分断は深まり拡大していく。

そして兵庫県県政は混乱のまま年を越す。

 

ウクライナの状況

 ロシアのウクライナ侵攻で始まった「ウクライナ戦争」は、2月24日で丸3年となる。

終結の見通しは未だ立っていない。

ウクライナの人たちも疲れ果てているようだ。

私はロシアの一方的な侵攻に「大義」はないと思っているが、ウクライナに非があると主張する人が私の周りにも一定数いる。

私は大国による他国の自己決定権を奪う侵略戦争には断固反対する。

 

ロシアの独裁者プーチンは日本はもちろん世界に分断をもたらした。

 

イスラエルによるガザ侵攻

 昨年10月7日に始まったイスラエルによるガザへの無差別攻撃は、2年目に入っている。

イスラエルは今も病院であろうと、学校であろうと、人道支援の拠点であろうと、パレスチナの人たちの避難場所であろうと容赦なく爆撃を行い、#民族浄化 #ジェノサイド と非難されようと無視して、ガザに対して無差別攻撃を続けている。

アメリカをはじめヨーロッパ諸国はイスラエルの暴挙を支持し、武器供与などを行いネタニアフ政権を支援している。

イスラエルは隣国のレバノン、シリア、イエメンなどにも爆撃を加えて中東全体を戦場にしている。

イスラエルはガザを、パレスチナを、そして中東をどんな世界にするつもりなのか?

 

これもイスラエルパレスチナの自己決定権を奪っている。

 

ミャンマービルマ

 2021年2月に軍部がクーデターで政権を握ってから、来年で丸四年となる。

政府軍は周辺地域では反政府軍に敗れているが、まだ民主化への道は遠い。

ロヒンギャ問題などのこれからも展望はひらけない。

 

⑥アフリカの紛争

 スーダンコンゴの民衆も内戦で苦しんでいる。世界の目はウクライナやガザの状況に向いていて、アフリカの危機は忘れ去られている。

その裏には欧米諸国の武器商人が暗躍していることを忘れてはならない。

 

袴田巌さん、再審無罪

 暗いニュースの中、唯一ホッとしたのは袴田巌さんが第一再審請求を行ってから43年を経てようやく「真の自由」を手にした。

しかし人生の半分以上を死刑囚として獄中に押し込められていた事実を、権力はどう贖うつもりなのか。

最高検は再審無罪が確定しても、未だに袴田巌さんを犯人と看做し、捜査方法などに問題はなかったと強弁している。

そんな中、今再審法改正の機運が高まっている。しかし法務当局は再審法改正を骨抜きしようと画策しているという。

今再審請求を行なっている人がたくさんいる。

 

日弁連が支援している再審事件は

                            名張事件

                            袴田事件

                            マルヨ無線事件

                            大崎事件

                            日野町事件

                            福井女子中学生殺人事件

                            鶴見事件

                            恵庭殺人事件

                            姫路郵便局強盗事件

                            豊川事件

                            小石川事件

                            難波ビデオ店放火殺人事件

などがある。

 

私が注目しているのは、上記事件はもちろんだが、狭山事件石川一雄さん、和歌山毒カレー事件の林眞須美さん、菊池事件のFさんだ。

この人たちの再審がよりスムーズに開始されるためにも、再審法改正は喫緊の課題である。

 

再審事件ではないが、今西事件の今西貴大さんに対して、一審有罪を高裁が逆転無罪を言い渡したが、検察は上告した。

新たな冤罪を生まないためにも最高裁は検察の上告を棄却すべきだ。

 

⑧中国残留邦人問題

 今年は親しくしていただいた中国残留孤児の方が相次いで亡くなられた。

お一人は私より3歳年上、もうお一人は私と同い年。

お二人は自身でお墓を用意されていた。

また私は直接面識はないが、兵庫県中国帰国者公墓に納骨された方が4人いらっしゃる。

公墓は神戸の舞子墓園に、中国残留孤児の歴史を語り継ぐための記念碑とともに2019年に建立した。

納骨に関わる行政への諸手続は私が担当している。

 

私たち中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会は設立以来、中国残留邦人の方が日本に帰ってきてよかった思っていただけるよう活動を続けてきた。

 

1世の方の高齢化が進み、2世の方も60歳代後半にさしかかっている。

2世は中年にさしかかってから帰国された方が多い。

その方たちは公的な支援を受けられない。

また日本での勤務期間が短くて年金も少ない。

その2世たちは、1世が国賠訴訟を起こした親世代と同じような苦境に追い込まれている。

私たちは2世も1世同様に戦争の犠牲者だと考えている。

1世と同様の支援を求めている。

2世の問題が今後課題として大きくなっている。

兵庫県中国帰国者公墓

中国残留孤児の歴史を刻んだ記念碑



⑨韓国大統領による「クーデター」の企て

 12月3日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は「非常戒厳」を宣布したのには驚いた。

もっと驚いたのは、真夜中近くというのに多くの市民が国会議事堂付近に集まり、「非常戒厳」に抗議するとともに出動した軍隊と対峙したことにはもっと驚いた。

 

 軍隊は議事堂の窓ガラスを破るなどして内部に侵入するも、「非常戒厳」解除を審議していた野党議員らを排除拘束することしなかった。

また兵士が市民に銃口を向けた銃には弾倉が込められていなかったという。

 

 そして大統領への弾劾と逮捕を求める大規模なデモが、氷点下10℃という極寒にもかかわらずデモ集会が行われている。

 

 韓国の民衆の民主主義の危機感知は、私たちに比べて数段鋭いように思う。

 それは1980年の民主化を求めた民衆の闘いの記憶が今に受け継がれていて、ハン・ガン氏の『少年が来る』にあるような凄まじい犧牲を払って鎮圧されても挫折することなく民主化を求める闘いを継続したこと、軍事独裁政治の恐ろしさを多くの民衆が共有していることによるのだろう。

 

 日本ではあのような民衆の力はあるのかはなはだ心もとなく思うのだが。

 

⑩母親の骨折と連合いの鬱病

 母親は今98歳、来年3月には99歳となる。

今年5月に脊柱管の圧迫骨折し、約半年間治療とリハビリのため入院していたが、現在は自宅で過ごしている。

 

私も要介護4の身、母親の介護はできない。

現在は妹が四六時中介護を担ってくれている。

月2回2泊3日のショートステイが妹の息抜きできる時間だ。

母は週1回のデイサービスと訪問リハビリを受けている。

母は私よりしっかりと歩けてはいるようだが、転倒のリスクがあり気の抜けない状況には変わりない。

 

 連合いは昨年鬱病を発症して今年の2月半ばに退院するまで約3ヶ月入院した。

退院はしたものの完治したわけではなく、今も通院している。

原因は私の介護、そして私が担っていた中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会の活動を私に代わって約2年間続けてくれたことだろうと私は考えている。

本人は否定するが、その間の気苦労がたまったことが原因だと私は思っている。

彼女は今その活動から身を引き、治療に専念している。

私は外出できないので、活動現場にいけない。

現場のしごとは他のスタッフの代わってもらい、在宅でデスクワークでできる仕事や行政との折衝を担っている。

 

連合いにはできるだけ負担、特に精神的負担をかけぬよう、また彼女の今を受け入れていくことを心がけている。

 

2024年は公私ともども辛いことが多くて、決して良い年にであったとは言えない。

しかし、決して諦めることなく、日々を過ごしていきたい。